火災保険が下りない可能性も?「消防点検」怠ると怖いこれだけのリスク。簡単・適正に点検をするには
皆さんがお持ちの物件では、「消防点検」をきちんと定期的に実施しているだろうか? 消防点検とは、建物の規模により設置されたスプリンクラーや防火扉、火災報知器、消火器など様々な消火設備を点検するもので、消防法により以下の通り定められている。
1.半年に1回の点検実施の義務
2.1年に1回または3年に1回の消防署への報告書提出の義務
しかし、「実施しています」と即答できる物件オーナーの方は少ないのではないだろうか?
消防法の規定では、点検結果の報告を怠ったり、虚偽の報告をした場合「30万円以下の罰金又は勾留措置」(消防法 第44条第11号代45条第3号)とあるものの、実質的には数も多く全ての違反に罰則が適用されていないのが現実だ。
だが、たとえ罰則を求められないからといって、消防点検を放置することは、オーナーにとってリスクになる。
「1つは、消防点検をきちんと行っていなかった場合、万が一の際に火災保険が下りない可能性があること。そして過去には、点検がなされていなかった建物での火災死亡事故の際に、遺族から訴訟を起こされた例もあります」
せっかく火災保険に入っていても、消防点検がもとで保険が適用されないのでは意味がない。この点、物件オーナーはしっかりと認識しておきたいところだ。
命を守るためにも、「点検」の普及を
先日、沖縄・首里城が一夜にして焼失した事故は記憶に新しい。この事故では、法律上や点検に不備があったわけではないが、スプリンクラーが設置されておらず、初期消火が機能しなかったことが悔やまれる。
死傷者が出なかったことは不幸中の幸いですが、火災の恐ろしさを改めて認識する事故でした。せっかく消防設備を備えていても、いざというときに正常に作動しなければ意味がありません。点検は、火災を拡大させず、また人の命を守るのに重要という意識を持つべきです。