台風シーズンの前に確認すべき非常用発電機の点検項目

非常用発電機は有事の際に、我々の生活や生産活動を支える大事な設備と言えます。しかし、多くの場合、何年も稼働しておらず、いきなり動かした結果、不具合を生じるということがよく見られます。有事の中でも台風は予測が可能な災害です。だからこそ、台風が来る前に、非常用発電機を点検しておくことは非常に効果があるといえます。

点検項目

点検項目をその目的ごとにお伝えします。

二次被害の防止

二次被害とは、非常用発電機が停電により自動始動したのはよいものの、実際に負荷運転に入ると機能が発揮されず、不完全燃焼で火災などの被害が拡大したりすることです。その二次被害を防ぐために、下記の項目を点検する必要があります。

・屋内、屋外を問わず、発電装置の周辺に可燃物や物品が近接していないか。
(1m以内、特に排気管付近)
・屋外の煙突に物が詰まっていないか。
・水漏れ、オイル漏れはないか。
・Vベルトは緩んでいないか。

確実な始動のために

非常用発電機が確実に始動するために、下記の項目を点検する必要があります。

・操作盤上で、「自動」モードになっているか。(運転準備完了ランプの点灯)
・ 操作盤上で、警報ランプが点灯していないか。
・ 操作盤上で、主回路遮断機(52G)はONになっているか。(バッテリースイッチはONになっているか)
・バッテリー液面は正常か。交換期限は過ぎていないか。
・潤滑油、冷却水量は正常か。

正常な運転のために

非常用発電機が始動しても、その後、正常に運転しないと意味がありません。正常に運転するために、下記の項目を点検する必要があります。

・燃料タンクの量は満タンか。
(即時普通型(1hr)の場合は満タンに、即時長時間型(1hr超)の場合は必要な運転時間を考慮して補給します。)
・運転時、1)水漏れ、オイル漏れはないか。
     2)異常な音、振動はないか。
     3)電圧、周波数は正常か。

今回は、台風シーズンの前に確認すべき非常用発電機の点検項目についてご紹介しました。

特に、納入後経過年数の立っている発電機は、注意が必要です。