非常用発電機の点検の必要性

緊急時の備えとして重要な非常用発電機ですが、東日本大震災の際には、
整備不良によって使用できなかったケースが全体の41%
さらに途中で異常停止したものが27%もあったことが明らかになっています。

経年劣化や設置環境の変化など、さまざまな要因によって正常に動作しないケースもありますが、非常用発電機は常に運転させておくものではないので、点検をしなければこうした異常に気付くことが難しいです。

多くの資金を費やして非常用発電機を導入したとしても、いざという時に正常に稼働しなければまったく意味のないものになってしまうでしょう。
もしもの時に安心して非常用発電機を使用するためには、定期的な点検は必要不可欠なのです。

非常用発電機は電源を入れるだけでは発電されることはありません。消防法により、点検時には30%以上の負荷をかけて正常に動くか確認することが決められていましたが、負荷運転による定期点検を高額な費用がネックとなり、これまで実施されていない施設も多かったと言われています。
2018年6月1日より自家発電設備の点検方法が改正されたことで、非常用発電機の点検方法も変更になりました。
非常用発電設備は消防法の他に、電気事業法や建築基準法などの法令によって点検が定められています。
それぞれの法令が定めた点検基準について表で詳しく見ていきましょう。

電気事業法消防法建築基準法
対象設備事業用電気工作物に該当する
自家発電設備
消防用設備等の非常電源として設置される自家発電設備
自家発電設備
建築設備の予備電源として設置される自家用発電装置
点検基準保安基準で定める点検等の基準・非常電源(自家発電設備)点検基準(告示)・非常電源(自家発電設備)点検要領(通知)半年点検(機器点検)および1年点検(総合点検)を実施する。・国土交通省告示第285号「排煙設備」、「非常用の照明装置」または「給水及び排水設備」により実施する。
点検記録非常電源(自家発電設備)
点検票(半年点検、1年点検の結果を記載する)
「排煙設備」、「非常用の照明装置」、「給水及び排水設備」の該当する検査結果表に記載する。
点検報告・消防用設備等点検結果報告書「非常電源(自家発電設備)点検票」を添付する。・特定防火対象物に設置される消防設備等では1年に1回、非特定防火対象物に設置される消防設備等では3年に1回、点検結果報告書を所轄消防機関に提出する。定期検査報告書により、概ね6ヵ月から1年までの間隔をおいて特定行政庁が定める時期に報告する。

引用:内発協ニュース