災害用発電機で起こる故障と原因
自動起動しない
災害用発電機の故障の原因として特に可能性が高いのは、始動用蓄電池(バッテリー)の性能低下。電圧不足や充電器の故障によって電圧不足で始動できない状態になることです。停電が起こると非常用発電機は自動で始動を試みますが、始動ができないと始動渋滞=始動不能となり、自動で起動できなくなります。
蓄電池だけが故障しているのであれば蓄電池を交換すればいいのですが、電圧不足の蓄電池を長期間交換せずにいた場合充電器が過流電をしていることもあり、蓄電池と充電器の両方を交換しなければなりません。
蓄電池の電圧に問題がない場合はセルモーターの故障が考えられます。始動ボタンを押した際、「キュルキュル」という異音がする場合はセルモーターの故障とみていいでしょう。
動かす頻度が少ないセルモーターも経年劣化を起こします。災害用発電機のセルモーターの寿命は12年程度といわれているので、設置して時間が経っている発電機の場合、経年劣化の可能性が高いかもしれません。
エンジンが止まらない
通常、停電から復旧すると非常用発電機は自動停止するのですが、自動で止まらない場合エンジン側の停止ソレノイドの故障か、制御基板の故障が考えられます。
自動停止できないと、燃料が切れるまで動き続けることになります。ディーゼルエンジンの場合、ガス欠になると混入した空気を抜かないと燃料を補充してもエンジンがかからなくなってしまうので注意が必要です。
起動したもののすぐに停止してしまう
この場合、燃料の不足や非常停止スイッチの不良のほか、潤滑油油圧の低下や冷却水温の上昇、燃料フィルターの目詰まりなどが考えられます。オイルは長期間交換しないと粘度が失われ正しい潤滑効果が得られないことがありますし、冷却水を長期間交換しないとラジエーター本体や冷却配管で目詰まりや水漏れを引き起こすことがあります。
またフィードポンプが経年劣化を起こしていると、オイルパンに燃料が混ざってしまい油圧低下の原因になると考えられています。
日頃からの点検やメンテナンスが重要
災害や停電が起こらなければ災害用発電機を動かすことはほとんどないため、故障や不具合には気づきにくいもの。いざというときの災害用発電機の故障を防ぐためには、日頃から点検やメンテナンスを行うことが重要です。
年に一回点検やメンテナンスを行えば故障のリスクを低減することができ、経年劣化した部分を早めに交換することで修理費用を抑えることができます。