非常用発電機の運転性能を点検するためには負荷試験(負荷運転)は欠かせません
年に数回、電気保安点検や消防点検を業務とする方々が、無負荷運転といわれる方法で非常用発電機の点検をしています。
無負荷運転とは?
非常用発電機に負荷がかかっていない運転のことを指します。
無負荷運転は非常用発電機が発電した電気を外部、つまり消防用機器などへ供給しない運転方法です。
しかし、残念ながら無負荷運転では、運転性能の確認はできません。
無負荷運転を車に例えると、車を停車させてエンジンを空ぶかししている状態なのです。
空ぶかしだと、車を走らせていないので、「エンジンが動く」ことくらいの情報しか得られません。
それに対して負荷運転は、車を走らせている状態です。
実際に車を走行させると色々なことがわかります。
法定速度が出せるエンジンの馬力があるか?エンジンの冷却はできているか?エンジンから変な音はしないか?一定時間以上運転できるか?など、たくさんの情報が得られます。
つまり車の運転性能がわかるわけです。
非常用発電機も同じです。
非常用発電機の負荷運転は、停電した時に負荷となる機器へ電気を供給している状態を再現する運転です。
ですので、負荷試験をすると非常用発電機のほんとうの運転性能がわかります。
実際に負荷試験をしてみると、電圧が下がったりオーバーヒートしたり、オイルが漏れたりと、運転性能がない発電機が一定数ほど発生しています。
ちなみに、これらの発電機は無負荷運転で正常と判断されていた発電機です。
これらのことから負荷をかけた運転、つまり負荷試験は「停電時に非常用発電機が運転できる状態にある事を確認」するために欠かせない点検です。