発電機の法的規制と各種届出

非常用発電機を設置するためには、各種定められた法的規制を満足することを確認し、行政機関に届出を行わなければならない。

建築基準法による規定

建築基準法では「建築士」「建築設備点検資格者」により、6ヶ月~1年の周期で点検を行い、特定行政庁への報告が必要である。外観、性能の確認を行う。定期報告違反をした場合、罰金を課せられる。

消防法による規定

消防法では「消防設備士」「消防設備点検資格者」により、特定防火対象物の場合1年周期、それ以外の場合は3年周期で点検報告を行う。機能点検は6ヶ月に1回以上、総合点検は1年に1回以上実施し、点検結果報告書と点検票を作成して消防機関に点検報告を行う。点検報告違反をした場合、建築基準法と同様に罰金を課せられる。

電気事業法による規定

電気事業法では、発電機を設置するものが、電気主任技術者が作成する保安規程に準じて点検を行う。一般的には、建築基準法や消防法、または変電設備の点検に合わせ、1年に1回程度の点検に含むこととする。

電気設備を適正に運用するための点検なので、日常点検、定期点検、精密点検を実施し、異常がないことを確認しながら使用する。保安規程違反をした場合は、経済産業省より技術基準適合命令が罰則として課せられるおそれがある。

非常用発電機の運転は軽油またはA重油を燃料とするので、一定量以上の燃料を保管する場合、危険物取扱所としての規制を受ける。A重油を使用する場合、400リットル以上2,000リットル未満の燃料が搭載されていれば、少量危険物取扱所として規制を受けるため、所轄消防への届出や、少量危険物取扱所としての構造条件を満足する必要がある。

数日間に渡って連続運転できるよう多量の燃料を備蓄する計画の場合、2,000リットル以上のA重油を備蓄することも考えられ、少量の枠を超えて「一般危険物取扱所」として規制されることもある。