設置型の非常用発電機には所轄消防への届け出と計算書が必要
設置型の非常用発電機は、新規設置や更新にあたり、所轄消防への届け出が必要となります。
【容量計算の提出が必要になるのは防災用途のみ】
防災用途以外に設置する非常用発電機には、発電機の容量選定に基づく計算書の提出は必要ありません。
防災用途の場合には、消防法に定められた計算書の添付が必須です。
非常用発電機の用途は大きく分けて2つあります。
【一般用バックアップ電源】BCPなど停電時への備え
生産設備など停電時に一般負荷と呼ばれる設備へ電源を供給するバックアップ電源。
防災用途 人命保護、消火設備への電源供給
火災時に人命保護や消火を行うための消火設備への防災用途としての電源供給です。
消火栓ポンプやスプリンクラー、非常用エレベーターなどがあります。
防災用途には消防法に定められた容量計算が必要
施設の規模や目的により、防災負荷は何が付いているかは様々です。
その施設の防災負荷を動かす容量を十分に満たした非常用発電機の選定をする必要があります。
ではその容量を十分に満たしたといえる客観的根拠はなにかとなります。
そこで消防法で定められた出力計算を用います。
出力計算では、消防法に基づく統一された計算方式により出力算定を行います。
この計算書は所轄消防への設置申請に必要となります。
この計算式に基づき算出された必要容量からその容量を満たす発電機を選定します。
同じ消費量の負荷でも防災用途は発電機が大きくなる
防災用途の場合、火災が起きた時に非常用発電機に紐づく負荷設備が
同時に起動しても耐えうる容量選定を求められます。
そのため、一般用負荷に比べて同じ出力負荷でも発電機容量は大きくなります。
出力計算書に記載する項目
防災負荷の機器名称
消火栓ポンプ・スプリンクラー・非常用照明など
防災負荷のそれぞれの出力と台数
消火栓ポンプ×何台、非常用照明×何個など総数になります
容量
負荷機器が要する電力容量です。
例えば、消火栓ポンプなどはポンプの銘板に7.5kwなど記載されています。
始動方式
消火栓ポンプの場合は、じか入れかスターデルタかVスターか始動方式を確認します
上記4つが分かれば計算式にはめこみ適正容量の算出ができます。
実際の現場では
建物の単線結線図、負荷装置の確認を行い、抜け漏れがないよう現物からも確認をしていきます。
非常用発電機は年一回のメンテナンスをしないと壊れます
一般用の電源バックアップ(BCP用途)、防災用に設置した非常用発電機
いずれも年に一度の点検を行う際に、予防保全整備(メンテナンス)を行わないと
非常用発電機は肝心な時に動かない結果になります。
東日本大震災や熊本地震などの大規模災害が起きた際、非常用発電機が動かなかった原因の
大半がメンテナンスをされていなかったためです。
高額な費用を投じて設置した非常用発電機が、肝心な時に使えない事例は多々あります。
自然災害の甚大化に伴い、どこの地域においても発生しうる災害へ
年に一度のメンテナンスをご計画下さい。