「停電」のメカニズム
そもそも、何が停電を引き起こすのでしょうか。これには「電気の性質」が関係します。北海道のブラックアウトの背景を知るには、まず、この電気の性質を知る必要があります。
2018年9月6日(木)未明、北海道胆振東部を最大震度7の地震が襲いました。地震そのものの大きさもさることながら、その後に起きた北海道全域の停電、“ブラックアウト”は大きな問題となり、TVや新聞などでも広く報じられました。
電気は、電気をつくる量(供給)と電気の消費量(需要)が常に一致していないと、電気の品質(周波数)が乱れてしまいます。供給が需要を上回る場合は周波数が上がり、その逆の場合は周波数が下がります。これがぶれてしまうと、電気の供給を正常におこなうことができなくなり、安全装置の発動によって発電所が停止してしまい、場合によっては大停電におちいってしまいます。
ここでポイントとなるのは、需要と供給は『常に』一致していなくてはならないという点です。北海道でも、通常は、50Hz(ヘルツ)という周波数の水準が維持されていました。しかし大地震の後、需要に対する供給がバランスを崩し、電気が足りなくなって周波数が下がったことから、大停電が実際に起きてしまったのです。