定期点検放置による発電機のトラブル例1

非常用発電機に必要なのは、私達プロの目と手による定期的・本格的なメンテナンスや整備は勿論ですが、発電機の一番近くにおられるお客様自身が発電機の調子を常に気にかけていることが最も重要であり、不良箇所の早期発見のための一番の近道と考えます。 以下に挙げているトラブル事例は診断させて頂いた結果一般的によく見つかるケースです。

コンデンサ発火トラブル

パンク・発火

定期点検を放置した結果、コンデンサから発火するなどの症例があります。素人判断で手を加えると大けがや大事故につながります。コンデンサにも寿命があるため、負荷試験や点検を実施し部品の交換を行うことで事故を未然に防ぐことができます。

冷却水系トラブル

ラジエーター・液洩れ・錆び・腐蝕

ラジエーター液は冷却水のことを言い、点検を放置しておくと冷却水に含まれる成分から、経年劣化を起こし液漏れが発生します。また、ラジエーター液が漏れ出すと、当然、錆や腐食の原因になり、本来、交換する必要のない部品まで交換しざるを得ないことになります。そうならないためにも早めに点検を実施することで、コスト削減にもつながります。

ラジエーター漏水原因

まず、水漏が起きる原因として考えられる箇所は、ラジエーター本体、ラジエーターホース、ヒーターホース、ウォーターポンプです。 ラジエーター自体に色んな部品が取付られているため、漏水の原因を特定するためには、ラジエーターに関する部品を全て点検する必要があります。 1箇所だけしかみないような点検をしてしまうと、他の箇所からの漏水を見落としてしまうことになります。

冷却水ヒーター・汚れ・劣化・損傷トラブル

冷却水ヒータ損傷

冷却水の鮮度は環境や気候により変わりますが、1~2年程度とされています。この期間を過ぎてしまうと冷却水の鮮度は落ち冷却水が腐りだします。この腐った冷却水に長期間浸かることで、冷却ヒーターは劣化し付着物がこびりつきます。また、ヒーター設置孔の汚れの汚れや水垢が原因で配管が詰まるなどのトラブルを起こします。絶縁不良の原因は冷却水ヒーターの劣化も関係します。

冷却水(クーラント)に水を混ぜて使用してもいいの?

結論から言うと、冷却水(クーラント)に水を混ぜて使用することは可能です。ですが、冷却水(クーラント)には寒冷地でも冷却水が凍らないように不凍液が含まれています。不凍液以外にも錆を防止する防錆剤が含まれています。冷却水(クーラント)に水を混ぜて使用するということは成分も薄まってしまうため、冷却水が氷る沸点も低くなり、また、錆やすくなります。その結果、冷却水ヒーターだけではなく、サーモスタットやラジエーターといった他の機器にトラブルや不調を誘発する可能性が高くなります。特に定期点検や消防法点検を受けていないような状態の発電機にむやみに冷却水(ロングライフクーラント)の代わりに水を使用したり、混ぜて使用することは勧めできません。