7割の人が災害に備えていない
近年、自然災害による大きな被害が報じられるのを目にした人は多いでしょう。
パナソニックが2021年1月に停電経験者と停電未経験者(各1,000人)を対象に行ったアンケート調査「もしもの備え白書 防災意識アンケート2021」によれば、調査対象(2,000人)のうち70.1%の人が台風や大雨、大雪、地震といった自然災害について不安を感じています。86.5%の人も自然災害への備えが必要だと考えていると回答しています。
ところが、同調査では実際に備えができている人は少ないという実態も見えてきました。「自然災害への備えができていますか?」という質問に対し、「全くできていない」または「どちらかといえばできていない」と回答した人が合計71.1%もいたのです。
災害への備えができていない理由を見てみると、「具体的に何から始めればよいかわからない」「特に始めるきっかけがない」といった声が目立ちます。
停電して困ることは?経験者と未経験者にギャップ
上手に備えを行うには、「災害時の困りごと」をイメージしてみることが大切です。
特に自然災害で経験する可能性が高いのが「停電」。停電経験者に過去10年以内に自宅で経験した停電の原因を尋ねると、59.0%が「地震」、34.8%が「台風・大雨暴風」と答えています。
ここで、停電未経験者が「停電したら困りそう」と考えることと、実際に停電を経験して「特に困った」ことを見てみましょう。
【未経験者が考える「困りそうなこと」】
- 1位 冷蔵庫が止まる(40.5%)
- 2位 冷暖房器具が使えない(39.3%)
- 3位 トイレの水が流せない(32.3%)
【経験者が特に困ったこと】
- 1位 冷蔵庫が止まる(57.4%)
- 2位 照明が使えず、部屋が暗い(53.5%)
- 3位 冷暖房器具が使えない(39.9%)
1位は経験者も未経験者も同じ「冷蔵庫が止まる」こと。未経験者で2位、経験者で3位に入っている「冷暖房器具が使えない」ことも、停電時の困りごととしてきちんとイメージできているといえるでしょう。
これに対して、照明が使えないことについては大きなギャップが見られました。あかりが使えないことを困りごとに挙げた停電未経験者は23.5%。しかし、実際に停電を経験した人では、53.5%の人があかりがないことを困りごとに挙げたのです。
あかりは部屋の移動に不可欠なものですし、日が落ちれば視界が悪くなって不安も大きくなるでしょう。アンケートに回答した停電経験者からも、「料理がしにくかった」「真っ暗だと本も読めず何もすることがなく手持ち無沙汰で、余計なことを考えてネガティブに」「あかりは心の安定にかかせないものだった」といった声が聞かれました。