防火区画と消防設備

今回は2つのテーマを勉強していきましょう!

まず1つ目は「防火区画と防火設備」です。
●火災の拡大を防ぐために仕切る―防火戸
開口部に防火戸と呼ばれる防火上一定の性能を持つ仕切りを設け、隣接する部屋や箇所への延焼や火災の拡大を防ぎます。小学校などで見かけたことがあるのではないでしょうか?
防火戸は、木造の建築物では延焼のおそれのある部分の開口部に必要になります。
●仕切りとして必要な設備の考え方―防火設備と特定防火設備
防火設備とは、耐火建築物や準耐火建築物の延焼のおそれのある外壁の開口部に設ける防火戸と、ドレンチャーなど、外壁や屋外に設ける設備をいいます。遮炎性能は20分を要求されます。この性能は建築基準法で定められていた、かつての乙種防火戸の規定と同じです。なお、一定の条件を満たした開口部を塞ぐ

外壁や袖壁、塀も防火設備とみなすことができるんですよ。
特定防火設備は、屋内の防火区画に設置する防火戸で、1時間の遮炎性能を要求されます。遮炎性能はかつての甲種防火戸の性能基準に準拠しており、材質、厚さなどの基準が示されています。
●火災を想定すれば立体的な区画が必要―防火区画
防火区画とは、火災発生時に火煙が広がることを防止し、避難しやすいように設ける区画です。大規模な木造建築物の防火区画には防火壁によって行いますが、平面的な区画では十分とはいえません。火災は特に上方に勢いよく拡大していきます。火災の拡大による被害を局所的なものにとどめるため、また避難を容易にするためには、立体的な防火区画計画が重要になります。主要構造部を耐火構造、準耐火構造とした建築物は壁、床による立体的防火区画が可能です。
●区画の考え方は被害を最小限に収めるため―防火区画の種類
建築基準法施行令で規定されている防火区画は以下のように区分されます。
①面積区画:水平方向の火災の拡大を防ぐために、一定の面積ごとに区画します。

②高層階区画:高層階へは一般のはしご車は届かないため、11階以上はより小さい面積で区画します。
③竪穴区画:吹き抜けや階段など垂直方向に通じている空間を区画します。
④異種用途区画:共同住宅に飲食店などの店舗が併設されているものなど、複合用途を持つ特殊建築物は、用途ごとによる区画をします。こうした複合用途建築物は防火上、特に注意が必要です。

防火区画については以上になります。ざっくりとした説明ではあるので、また日を改めて詳しく見ていきたいと思います。

それでは次のテーマに行きましょう!
テーマは「消防用設備等」です。
●消防と消火に必要な設備と物と施設―消防用設備等

消防用設備等とは、消防法に規定される「消防の用に供する設備、消防用水及び消火活動上必要な設備」をいいます。防火対象物の関係者は、法で定める基準に従ってこれらの設備を設置しなければなりません。この設置義務制度は、消防法と建築基準法等によって規定される、火災の予防と早期発見、通報、初期消火、避難、さらに消防隊の活動の利便性に配慮して火災の軽減を図るためのものです。
●火災の予防、消火、避難のために―消防用設備等の分類
消防設備等は、その役目や機能により以下のように分類されます。
1.消防の用に供する設備
①消火設備:火を消すための設備(装置)
消火器・簡易消火用具(水バケツ、水槽、乾燥砂等)・屋内消火栓設備・スプリンクラー設備・水噴霧消火設備・泡消火設備・不活性ガス消火設備・ハロゲン化物消火設備・粉末消火設備・屋外消火設備・動力消防ポンプ設備等
②警報設備:火災の発生(予兆)を知らせる設備
・自動で知らせるもの

自動火災報知設備(自火報)・ガス漏れ火災警報設備・漏電火災警報器等
・手動で知らせるもの
消防機関へ通報する火災報知設備・非常警報器具(警鐘、携帯用拡声器、手動式サイレン)・非常警報設備(非常ベル、自動式サイレン、放送設備)
③避難設備:火災発生時に避難するために用いる用具、表示等
すべり台・避難はしご・救助袋・緩降機その他避難器具・誘導灯・誘導標識
2.消防用水
防火水槽、またはこれに代わる貯水池、その他の用水で、火災時に消防ポンプ自動車が火災のために使用する水を貯めておく水槽や池のことをいいます。
3.消火活動上必要な施設
連結送水管・連結散水設備・非常コンセント設備・無線通信補助設備・非常用エレベーター・排煙設備等で、消防隊の消火活動が効率的に行われるために必要な設備です。

最近は消防の立ち入り検査があってお問い合わせを頂くことが多くなっております。
近いうちに「立入検査」について書いてみようかと思います。