消防設備点検は基本年2回行う必要があります!

消防法によって、消防設備を設置することが義務付けられている建物の関係者(所有者・管理者・占有者)は、
設置した消防設備を定期的に点検し、その結果を消防長または消防署長に報告することが義務付けられています。

総合点検は年に1回以上、機器点検は半年に1回以上と基本2回以上行う必要があります。

消防設備点検の報告の頻度は?

消防設備点検をしたら点検結果報告書を作成し、防火対象物関係者が、防火対象物の所在地を管轄する消防署に報告書を提出する必要があります。ただし、報告の頻度と点検の頻度は異なっており、消防設備点検を行うたびに報告する必要はありません。

消防設備点検の結果を報告する頻度は、その建物が特定防火対象物か非特定防火対象物かによって異なります。特定防火対象物は、1年に1回の点検結果報告が求められ、非特定防火対象物は3年に1回の点検結果報告が求められます。

特定防火対象物非特定防火対象物
1年に1回3年に1回

>> 特定防火対象物と非特定防火対象物の違いはこちら(消防設備点検が必要な建物)

通常であれば、消防設備点検は専門業者に依頼します。点検をした業者は点検結果の詳細を点検票に記載して、建物の所有者・管理者・占有者に提出します。建物の所有者・管理者・占有者は、最新の機器点検と総合点検の結果が記載された点検結果報告書を消防署へ提出します。

消防設備点検の結果、不良箇所が見つかれば、早急に改修・交換などをしましょう。

もし仮に行っていない場合、違法となってしまい、罰則も設けられています。
また、最悪なケースでは、罰則だけにとどまらず民事訴訟、刑事訴訟にまで発展するケースもありますのでご注意ください。

消防設備点検の義務と罰則

消防設備点検は義務である!

消防法によって、消防設備を設置することが義務付けられている建物の関係者(所有者・管理者・占有者)は、設置した消防設備を定期的に点検し、その結果を消防長または消防署長に報告することが義務付けられています。つまり、消防設備を設置・点検していない状態は「違法」ということです。

当然、法令違反に対しては、以下のように罰則も設けられています。また、罰則だけにとどまらず民事訴訟・刑事訴訟にまで発展するケースもあります。

消防設備点検に関する罰則

消防用設備等の設置命令違反

消防設備の設置命令に違反すると、1年以下の懲役または100万円以下の罰金に処せられます(法第41条)。

消防用設備等点検報告義務違反

消防設備点検の結果を報告せず、または虚偽の報告した者は30万円以下の罰金または拘留に処せられます(法第44条)。

防火対象物点検に関する罰則

不特定多数の人が出入りする建物は、消防設備点検とは別に、適切な防火管理ができているかなどをチェックする「防火対象物点検」が義務付けられています。対象となる建物は、消防設備点検に加えて防火対象物点検も実施する必要があります。当然、怠ると以下のように罰則が設けられています。

防火管理業務適正執行命令違反[法第8条第4項]

1年以下の懲役または100万以下の罰金に処せられます(法第41条)。

防火管理者選任命令違反[法第8条第3項]

6月以下の懲役または50万以下の罰金に処せられます(法第42条)。

防火対象物点検報告義務違反[法第8条の2の2第1項]

30万円以下の罰金または拘留に処せられます(法第44条)。

防火管理者選解任届出義務違反[法第8条第2項]

30万円以下の罰金または拘留に処せられます(法第44条)。

点検虚偽表示違反[法第8条の2の2第3項]

30万円以下の罰金または拘留に処せられます(法第44条)。

事業主・オーナーの罰金は最高1億円に!

消防法改正により罰則が強化され、事業主(ビルのオーナーなど)に対して最高1億円の罰金が科されることとなりました(消防法第45条:両罰規定)。両罰規定とは、従業者が事業主の業務について違反行為を行った場合、違反行為をした従業者を罰するとともに事業主も罰することを定める規定です。これは、事業主に従業者の選任・監督などについての過失があったと推定されるからです

消防設備点検は人命を守るため!

「経費を抑えたい」という理由で点検を怠っている建物もあるようですが、点検を怠っていると、万が一の際、取り返しのつかないことになってしまうかもしれません。目先の経費を削減したために、いざというときに消防設備が機能しなかったら・・・。どんな建物でも、利用者・入居者・お客様・テナントの安全を守るため、消防設備点検は必須なのです。