最近地震が日本各地で起こっています。令和2年版 消防白書(総務省消防庁)
【コラム】地震火災対策について
地震火災について
大規模地震発生時には、火災が同時に多くの地点で発生するおそれがあるため、消防力が不足し、住宅密集地等では大規模な火災の危険性が高くなる。
近年の大規模地震発生時においては電気に起因する火災が多く発生している。平成23年3月11日に発生した東日本大震災における本震による火災では、原因の特定されたもののうち過半数が電気に起因したものであった。
また、地震に伴い、大規模かつ長時間に及ぶ停電が発生しており、停電からの復旧後の再通電時に出火する、いわゆる「通電火災」の発生が懸念される。
このような「通電火災」が発生した場合、住民が避難所等へ避難しており、出火時の初期消火が行えないといったおそれがある。
具体的に想定される「通電火災」のメカニズムについては次のとおりである。
▶ 転倒した家具の下敷きになり損傷した配線などに再通電し、発熱発火する
▶ 落下したカーテンや洗濯物といった可燃物がヒーターに接触した状態で再通電し、着火する
▶ 転倒したヒーターや照明器具(白熱灯など)が可燃物に接触した状態で再通電し、着火する
地震火災を防ぐ主なポイント
地震火災を防ぐためのポイントを地震発生前後のフェーズごとに次のとおり取りまとめた。
事前の対策
・住まいの耐震性を確保する
・家具等の転倒防止対策(固定)を行う
・感震ブレーカーを設置する
・ストーブ等の暖房機器の周辺は整理整頓し、可燃物を近くに置かない
・住宅用消火器等を設置し、使用方法について確認する
・住宅用火災警報器(連動型住宅用火災警報器などの付加的な機能を併せ持つ機器を推奨)を設置する
地震直後の行動
・停電中は電化製品のスイッチを切るとともに、電源プラグをコンセントから抜く
・石油ストーブやファンヒーターからの油漏れの有無を確認する
・避難するときはブレーカーを落とす
地震からしばらくして(電気やガスの復旧、避難所などからもどったら)
・ガス機器、電化製品及び石油器具の使用を再開するときは、機器に破損がないこと、近くに燃えやすいものがないことを確認する
・再通電後は、しばらく電化製品に異常(煙、におい)がないか注意を払う
日頃からの対策
・自分の地域の地震火災による影響を把握する
・消防団や自主防災組織等へ参加する
・地域の防災訓練へ参加するなどし、発災時の対応要領の習熟を図る
消防庁の対応
消防庁では、地震火災発生のメカニズム等を過去の事例をもとに紹介し、家具等の転倒防止措置、感震ブレーカーの設置、安全装置付きの暖房器具の使用など、日常での地震火災対策について周知する映像資料及び地震火災を防ぐポイントをまとめたリーフレットを制作し、公開しているところであり、広く国民に地震火災対策を周知するため、引き続き、積極的な広報を行っていく予定である。
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