令和2年版 消防白書(総務省消防庁)

1.火災事故

危険物施設における令和元年中の火災事故の発生件数は218件となっており、平成元年以降火災事故が最も少なかった平成5年(1993年)の107件と比較すると、危険物施設が減少しているにもかかわらず、約2.0倍に増加している。主な発生要因については、維持管理不十分、操作確認不十分等の人的要因によるものが多くを占めている。

(1)危険物施設における火災事故発生件数と被害

令和元年中の危険物施設における火災事故の発生件数は218件(対前年比12件増)、損害額は55億8,800万円(同31億6,900万円増)、死者は1人(同1人減)、負傷者は37人(同83人減)となっている(第1-2-2図)。
また、危険物施設別の火災事故の発生件数をみると、一般取扱所が最も多く、次いで給油取扱所、製造所の順となっており、これらの3施設区分の合計で全体の90.8%を占めている(第1-2-3図)。
一方、火災事故218件のうち97件(全体の44.5%)は、危険物が出火原因物質となっている(第1-2-4図)。

第1-2-2図 危険物施設における火災事故発生件数と被害状況

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(各年中)

第1-2-2図 危険物施設における火災事故発生件数と被害状況

(備考)
1 「危険物に係る事故報告」により作成
2 単位未満を四捨五入しているため、合計等が一致しないことがある。

第1-2-3図 危険物施設別火災事故発生件数

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(令和元年中)

第1-2-3図 危険物施設別火災事故発生件数

(備考)
1 「危険物に係る事故報告」により作成
2 小数点第二位を四捨五入のため、合計等が一致しない場合がある。

第1-2-4図 出火原因物質別火災事故発生件数

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(令和元年中)

第1-2-4図 出火原因物質別火災事故発生件数

(備考)
1 「危険物に係る事故報告」により作成
2 小数点第二位を四捨五入のため、合計等が一致しない場合がある。

(2)危険物施設における火災事故の発生要因

令和元年中に発生した危険物施設における火災事故の発生要因をみると、人的要因が56.9%、物的要因が29.4%、その他の要因、不明及び調査中を合計したものが13.8%となっている(第1-2-5図)。
また、着火原因別にみると、静電気火花が40件(対前年比8件増)と最も多く、次いで高温表面熱が26件(同11件減)、電気火花が25件(同10件増)、過熱着火が25件(同4件増)となっている(第1-2-6図)。

第1-2-5図 発生原因別火災事故発生件数

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(令和元年中)

第1-2-5図 発生原因別火災事故発生件数

(備考)
1 「危険物に係る事故報告」により作成
2 小数点第二位を四捨五入のため、合計等が一致しない場合がある。

第1-2-6図 着火原因別火災事故発生件数

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(令和元年中)

第1-2-6図 着火原因別火災事故発生件数

(備考)
1 「危険物に係る事故報告」により作成
2 小数点第二位を四捨五入のため、合計等が一致しない場合がある。

(3)無許可施設における火災事故

危険物施設として許可を受けるべき施設であるにもかかわらず、許可を受けていないもの(以下「無許可施設」という。)における令和元年中の火災事故の発生件数は4件(対前年比2件増)であり、死者は3人(同3人増)、負傷者は3人(同2人増)となっている。

(4)危険物運搬中の火災事故

令和元年中の危険物運搬中の火災事故の発生件数は0件(対前年比2件減)となっている。

(5)仮貯蔵・仮取扱い中の火災事故

令和元年中の仮貯蔵・仮取扱い中の火災事故の発生件数は0件(対前年比1件減)となっている。